社会福祉研究交流集会
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第7回社会福祉研究交流集会

福祉コミュニティーを誰が支えるのか
−市民の自発的活動・事業の役割と公的責任のあり方−
2001年8月25日(土)〜26日(日)県立広島女子大学(広島市内)

25日(土)

●12時 受付開始(広島女子大学教育研究棟2・1階)

●13時 開会

●13時30分 基調講演(〜14時45分)
新自由主義批判と新しい福祉国家の創造−聖域なき構造改革にどう対応するか−

講師 後藤道夫さん(都留文科大学)
福祉国家の行き詰まりが政策的に宣伝される中、「政府の失敗」論を受ける形で、新自由主義・新保守主義の国際的流れが形成されてきています。我が国では規制緩和・市場主義をキーワードとするこの潮流は、市場化や民営化により社会保障・社会福祉の分野にまで「聖域なき構造改革」を遂行しようとしています。政府の「改革」の本質と問題点は? 政府の改革に対峙する真の福祉国家(国民・住民主体の福祉国家)をどう創り上げていけばいいのでしょうか。

●15時 記念シンポジウム(〜17時30分)
「福祉コミュニティーを誰が支えるのか−市民の自発的活動・事業の役割と公的責任のあり方−」

コーディネーター 鈴木勉さん(県立広島女子大学)
シンポジスト 石川 満さん(日本福祉大学)「介護保険と国・自治体の責任」
         寺本恵子さん(いきいきいわみ)「中山間地の暮らしから福祉の協同をつくる」
         濱口逸記さん(広島中央保健生協)「医療生活協同組合運動と医療・福祉の公的責任」
コメンテーター 久保正道さん(障害者の暮らしと権利を守る広島連絡会)
          河合克義さん(明治学院大学)
暮らしと福祉の危機が深まる中で、市民による生活防衛の自発的なとりくみとしてNPOや協同組合、地域住民組織・ボランティア組織などがさまざまな活動や事業を展開しています。こうした活動や事業が社会福祉の形成にどのような役割を担っているのか、また、福祉における公的責任との関係でどのように位置づけられるのかを考えてみましょう。

●18時 懇親会(〜20時・希望者のみ、事前の申込みが必要)
※会場は、ホテルオークランド広島、宿泊場所と同じです。

26日(日)

9時30分 分科会・基礎講座(〜14時/昼食休憩を含みます)

【分科会】
(※テーマは仮題のものもあります。また報告者はここにご紹介した方以外にも要請中の方が多数おられます。)

第1分科会◆介護保険制度の1年半とこれから
コーディネーター=岡崎祐司さん(佛教大学)
報告=大畠順一さん(介護保障を求める広島の会)「広島市における介護保険の実態と改善運動」
鍋谷州春さん(北海道社保協)「介護保険検証と介護保障をめざす住民運動の役割」
伊藤周平さん(九州大学)「介護保険の1年半とこれから」
松田浩江さん(介護老人保健施設備前さつき苑)「備前市における介護保険制度の現状」
◆利用者負担によるサービス抑制、年金からの保険料天引き、事業者のサービスからの撤退など制度実施1年半、問題はあとを絶ちません。しかし一方で保険料減免や利用料減免などを独自に行う自治体も出てきています。これまでの介護保険の現状を検証し、真の介護保障実現に向けた地域、自治体の課題を考えます。

第2分科会◆自立と参加を支える障害者福祉と支援費制度の矛盾
コーディネーター=峰島厚さん(立命館大学)
報告=植田章さん(佛教大学)「自立と参加を支える障害者福祉と支援費制度の矛盾」
長谷川裕央さん(大阪・阪南市社協)「大阪における支援費支給制度に向けた提言」
寺尾文尚さん(広島人権擁護センターほっと)「人権擁護センターほっとの目指すもの」
佐々木憲作さん(広島視覚障害者協会)「並みの安全と便利さを求めて−広島のバリアフリー化の推進を求める取り組みから−」
◆障害者福祉分野にも2003年度から利用契約制度が導入されます。政府が検討している支援費制度とは何か、導入されたらどうなるのか、利用者・家族の願いとの間にどのような矛盾が生まれるのか、について考えます。

第3分科会◆深刻化する失業・貧困問題
コーディネーター=唐鎌直義さん(大正大学)
報告=広島・生活と健康を守る会「国保改悪と保険証取り上げ問題への取り組み」
海老一郎さん(西成労働福祉センター労働組合)「深刻化する『ホームレス』問題の実態と国・自治体の対応」
布川日佐史さん(静岡大学)「雇用不安と生活保障」
今村雅夫さん(京都市右京福祉事務所)「大不況時代の生活保護制度を問う」
◆深刻化する失業・貧困問題。中でもホームレス問題は大きな社会問題となっています。本来のセーフティネットである生活保護制度はどうあるべきか、課題は何かについて考えます。

第4分科会◆「子育て支援」と地域のネットワークづくり
コーディネーター=垣内国光さん(日本福祉大学)
コメンテーター=磯野有秀さん(山口県立大学名誉教授)
報告=西川洋一さん(似島学園高等部)「子育て支援における官民ネットワークの役割」
石川幸枝さん(高陽なかよし保育園)「家庭危機に直面した保育所の役割」
日江井幸治さん(三重県北勢児童相談所)「今日の児童虐待制度の現状と問題点」
空井美佐子さん(岡山市職労保育所支部)「地域の中に子どもを支えるネットワークを広げよう−岡山市職労の『子育てフェア』の取り組みから−」
◆「孤立した子育て」に警鐘が鳴らされ、さまざまな子育て支援制度ができてもあとを絶たない児童虐待や凄惨な少年事件。困難を抱える親子への援助、安心して子育てができる社会システムはどうあるべきかを考えます。

第5分科会◆地域づくりと市民の自発的活動・事業
コーディネーター=藤松素子さん(佛教大学)
中原均さん(生協ひろしま福祉推進室)「地域づくりと生協福祉活動・福祉事業」
茅ヒサエさん(山口民医連・オリーブの会)「ヘルパー活動とボランティア」
鳥取県厚生事業団職員労働組合「事業団事業民間委託を県民総意でくい止めた運動」
平田和洋さん(京都市南区社会福祉協議会)「住民自治に根ざした福祉活動の実践」
◆福祉・医療分野での公的責任の回避、民間企業化が進む中で、地域の福祉問題を解決しようとする住民の自発的な活動・事業が増えています。この活動は福祉のまちづくりにどんな役割をもつのか、公的責任との関係は?を考えます。

特別分科会◆自由論題
コーディネーター=高島進さん(日本福祉大学)
◆若手研究者の自由な研究発表の場です。先輩研究者が研究方法等について助言もしながら、研究内容について意見交換します。
発表をご希望の方は事務局へ8月1日(水)までにご連絡ください。

【基礎講座】
1 理論編:社会福祉基礎構造改革とは何か【講師】宮田和明さん(日本福祉大学)
2 実践編:
  (1)地域住民・利用者の声を反映した福祉実践・法人運営【講師】玉置弘道さん(大阪福祉事業財団)
  (2)福祉オンブズマン活動の今日的意義と役割−高知の経験から【講師】山下功智さん(福保労高知地本)

●14時15分 全体集会(集会まとめ)
「社会福祉の争点と研究運動の課題」
報告 石倉康次さん(広島大学)

●15時 閉会

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