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第5回社会福祉研究交流集会市民公開講座

国際高齢者年と介護保険
99.8井上英夫

はじめに−平和・人間の尊厳・人権保障

一1999年「国際高齢者年」へのあゆみ
(1)第一期−前史
*1948年世界人権宣言とアルゼンチン決議案
(2)第二期−活動準備期
*1982年「高齢化に関する世界会議」と国際行動計画
*91年「高齢者のための国連原則」
*92年、「2001年に向けた高齢化に関する世界目標:実施戦略」
総会決議「高齢化に関する声明」−国際高齢者年決定
(3)第三期−活動展開期

二 国際高齢者年(International Year of Older Persons)とは
(1)「国際年」と人権保障活動
(2)高齢化の二つの側面
*発展上の側面と人道上の側面
(3)高齢化、高齢者観の転換
*高齢者間題から高齢化問題へ
*老人から高齢者へ
一*FORからOFへ−「弱者」から「主体者」へ
*「老化」・「老衰」から「白已実現」「発達」へ
(4)人権保障に関する政府の役割と責任

三 高齢者の人権保障の原則一91年「高齢者のための国連原則」
(1)独立
(2)参加
(3)ケア
(4)自己実現
(5)尊厳

四 「介護」不安の拡大と介護保険法制定
(1)家で−「介護される人」と「介護する人」の人権女性と介護
(2)施設で−「大部屋」「拘束」「管理」と「入所者」の尊厳
(3)国の社会保障「構造改革」−新ゴールドプラン等の現状
(4)自治体間格差の拡大
(5)介護不安の増大一「もう一つの過疎化」・「介護移住」
(6)自殺、心中と「ぽっくり願望」

五「介護保険」の問題点
(1)情報の提供と議論の不足
(2)住民自治、住民参加の不足
(3)「介護保険」の問題点
@社会保険と措置制度
A地方分権、地方自治と介護保険
B財源と国民負担保険料、利用者負担等
C介護体制・基盤整備と「マンパワー」
D介護対象者一高齢者、障害をもつ人、家族
Eサービス内容、水準
F「介護」受給手続き
G介護市場とシルバー産業
H介護と医療・保健・福祉一「構造改革」の第一歩
*安心の保障→不安の増大
*「保険あって介護無し」→「保険もない、介護もない」
*権利保障→不平等の拡大 「もうける権利」の保証
*選択の自由→選別の自由

六 国際高齢者年と介護保障−安心して暮らすために
(1)国際高齢者年と介護保障
(2)国連原則と介護保障
(3)人間の尊厳の理念自己決定・選択の自由と平等の原理
(4)介護保障確立のために
@「しかたがない」をやめよう−理念と原則を生かす
A社会保障・社会福祉による「安心」と「幸福」
B小さいことはいいことだ 地域化と総合化
C自分を基準にして考える 入りたい施設を、受けたい介護を
D多様な意見と試行錯誤 合理主義と柔軟性
E施設でなく「ホーム」であること
F平等と民主主義
(5)住民自治と自治体自治、そして住民参加−「金沢市介護保険事業計画等策定委員会」について

おわりに−「冗談じゃない」・「日本だからできる」

参考文献
井上英夫『国際高齢者年と国際行動計画』日本高齢者運動連絡会(03-3384-6654)、98年。
同「国際高齢者年と日本の課題」賃金と社会保障、98年6月下旬、8月上旬、10月下旬、12月下旬号。
同『高齢者の人権が生きる地域づくり−増補版』自治体研究杜、99年。
同「人権としての社会保障と介護保障」医療・福祉研究(金沢大学経済学部横山研究室−076-264-5426)、第8,9,10号。
井上はか編著『高齢者医療保障』労働旬報杜、95年。
本沢巳代子『公的介護保障一ドイツの先例に学ぶ』日本評論杜、96年。
訓覇法子『現地から伝えるスウェーデンの高鈴者ケア』自治体研究杜、97年。
石川満『欠陥「介護保険」』自治体研究杜、98年。
フィリップ・グロード『おとしよりに太陽を』旬報杜、96年。
井上値『地域医療と住民参加』国民医療研究所所報、42号、99年

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