福祉のひろば 2024年5月号商品コード:hiroba-202405
特集 若者の拠りどころを社会に
今号の特集では、大阪で活動する認定NPO法人Homedoor、認定NPO法人釜ヶ崎支援機構、一般社団法人シンママ大阪応援団の方々に、それぞれの団体につながった若者が置かれている状況や抱えている困難、支援と課題についてうかがいました。どの団体も、物理的な住まいや居場所の提供から、生きていくために必要なさまざまな情報、困ったときに頼れる関係性など、家族の代わりに若者の「拠りどころ」となるべく活動を展開されています。
こうしたおもに民間団体が中心となり広がっている若者支援と、家族の代わりに国が責任をもって子どもの権利を守る社会的養護の活動は、密接につながり、また大きく重なっています。とくに近年、社会的養護における自立支援やアフターケアの充実が図られていくなかで、その重なりはどんどん大きくなっています。2024年4月から施行される改正児童福祉法では、いよいよ支援の必要な子どもの年齢制限が撤廃されることとなり、年齢で区切ることなく支援を継続できるようになりました。
若者の自立が家族の有無や力量に左右されず、すべての若者が自分自身の人生を歩めることを社会が保障し、社会の中に若者の拠りどころを増やすために、若者にとって社会保障・社会福祉はどうあるべきなのか、考えたいと思います。
先駆的な挑戦である若者支援は、NPОをはじめとする民間団体がその中心を担っているのが現状です。現場の実態を発信し、実践を積み重ね、制度化を求める運動と同時に、そうした民間団体のいまの活動そのものを支えることも、私たちにできる大切な活動であることも、一緒に考えたいと思います。
【ひろばトーク】
子どもたちにちょっといい未来を キム・ジヒョン
●特集● 若者の拠りどころを社会に
若者支援を通して感じる文化的な経験の大切さ 永井 悠大
若者が自分自身の人生を歩めるように 小林 大悟
「ヨリドコハウス」で生活する加藤さん(仮名)にお話をうかがいました
困ったときに相談でき、動いてくれる大人との関係を 寺内 順子
若者の育ちや挑戦を保障できる社会に 田中れいか
社会的養護における自立支援の前進から 武藤 素明
●トピックス●
障害のある子どもたちの自立支援と課題 宮川 涼
住まいの貧困を考える
~Ⅳ困難を抱えた若者への支援と住まい②~ 藤原 望
社会保障・社会福祉こそ経済政策のかなめ
~日本再生のための「プランB」とは~ 兪 炳匡
京都講座 分野を超え、視野を広げ、次世代リーダーの養成に
●連載●
〈新連載〉なかまと職員と家族と、ともに築く暮らしの場
息子の自律を願い、歩んできた20数年 播本 裕子
〈新連載〉続・ヘルパー歳時記 小川 栄二
その人らしい生活を支えるホームヘルパーの実践を守りたい
WORK WORK──わくワク──
協力し合いながら製品づくり ドリームクラブハウス
JОB&ACTION 全国福祉保育労働組合(38)
率直に自分の思いを出しあえてる? 心理的安全性を高めよう②
私の履歴書 社会福祉経営全国会議(38)
未来に生きる子どもたちへ 武尾 正信
阿修羅がゆく わたしが好きな釜ヶ崎(58) 水野阿修
相談室の窓から
こころにゆとりをもって楽しい子育てを① 青木 道忠
育つ風景 いわき雑魚塾と出会って 清水 玲子
映画案内 『PERFECT DAYS』 吉村 英夫
現代の貧困を訪ねて 生田 武志
釜ヶ崎で毎年続く真冬の路上死
似らすとれーしょん道場 似顔絵まんがアート
不適切はおもしろいのじゃ ラッキー植松
ホームレスから日本を見れば ありむら潜
花咲け! 男やもめ 川口モトコ
*お知らせ*
第37回社会科学・社会福祉基礎講座/第29回社会福祉研究交流集会in関東
みんなのポスト/福祉の動き/今月の本棚
●グラビア● 子どもの姿から学ぶ実践