福祉のひろば 2024年1月号商品コード:hiroba-202401
                
                    
                    
                    
                    
                    
                                         
                    
                                     
                
                    特集 ひろがる生活と健康の破壊
   ──「国民皆保険」を問う──
日本は「国民皆保険」だと言われています。すべての国民がなにかしらの公的医療保険に加入することになっており、すべての国民が、病気や事故にあったときの医療費の負担が軽減されることになっている、というものです。加入する保険組合は、雇用先や職種、年齢によって分けられています。そして、自営業者や非正規労働者、七五歳未満の無業者など、ほかの公的医療保険の対象とならないすべての人が加入することになっているのが、「国民健康保険」です。
しかし現実には、退職後に国民健康保険への変更ができず無保険状態になっていたり、保険料を滞納していて有効な保険証をもっていなかったり、保険証をもっていても窓口負担額が支払えず、結果的に医療にかかれない人がいます。公的医療保険は、賃金との両輪で国民の健康と生活を守る社会保障のひとつの大きな柱ですが、その対象になれない、もしくはその対象になるための保険料が生活を圧迫するほどの大きな負担になっていることで、生活と健康の破壊が広がっている現実があります。
今号では、ひろがる生活と健康の破壊の実態を見つめるとともに、その背景に大きく横たわる「国民健康保険」の問題についても触れたいと思います。また、社会保障のひとつである「保健医療・公衆衛生」を守る役割を主に担う保健所について、変遷と課題、可能性についても考えます。人々の生活と健康を守ることを考えたとき、四つの社会保障がそれぞれどのような役割を果たすべきなのか、その狭間に落ちてしまう人々が多数いる現実に目を向けながら、考えてみたいと思います。
【ひろばトーク】
聞こえのバリアフリー
 全国に広がる加齢性難聴者の補聴器助成制度	林  洋司
●特集●  ひろがる生活と健康の破壊
──「国民皆保険」を問う──
無料低額診療事業が対象とする人たち	目良彩子・阪本利枝	
国保料・税で追いつめられる自営業者の生活	金澤 利行	
社会保険への理解と改善に向けて	長友 薫輝	
「保健所」の今とこれから
 ──地域との連携、ネットワークづくり	白井 千香	
●トピックス● 
住まいの貧困を考える
~Ⅱ 刑務所からの出所者と住まいの支援~	藤原  望	
戦時と平時の連続性から問う性暴力と女性の人権	芝田 英昭	
年賀広告	
●連載●
世界と交流する平和の船に乗ってみた!	根津眞澄+オット
 第4回 クリーンな天然エネルギー先進国・アイスランド
WORK WORK──わくワク──
 みんなでつくるココナッツチュイール	しょうぶエバンズ
婦人保護運動のこれまでとこれから(11)
 若年女性支援と新法②	仁藤 夢乃	
ケア労働処遇改善キャンペーン!⑱	鴨井 健二	
 障害者福祉施設の存続の危機――職員不足の実態調査より――
JОB&ACTION 全国福祉保育労働組合(34)	
 経済対策に盛り込まれた6000円賃上げに対する見解	
私の履歴書 社会福祉経営全国会議(34)
 未来は労働者と婦人のもの	乾 みや子	
阿修羅がゆく わたしが好きな釜ヶ崎(54)	水野阿修羅
相談室の窓から
 子どもの最善の利益を最優先に②	青木 道忠	
育つ風景
 給食の先生と担任の先生をつないだカタツムリ	清水 玲子	
映画案内 『ハッピーアワー』	吉村 英夫	
現代の貧困を訪ねて	生田 武志	
 道又蒼彩の「カフカの階段」版画連作(2)
似らすとれーしょん道場 似顔絵まんがアート
 スバルしい歌を残されたのじゃ!	ラッキー植松
ホームレスから日本を見れば 	ありむら潜
花咲け! 男やもめ	川口モトコ	
みんなのポスト/福祉の動き/今月の本棚 
●グラビア● 「文化的な生活」がもつ大きな力