福祉のひろば 2022年12月号商品コード:hiroba-202212
特集 施設も地域も、みんなで"暮らしの場"のを考えたい
施設介護から在宅介護へ、入所施設から地域へ、施設養護から家庭的養護へ……高齢・障害・児童養護、そして精神病院等についても、当事者や家族、支援者が、人権を守り、あたり前の暮らしを求める運動のなかで、「施設から地域へ」がすすめられてきました。
しかし、そうした「施設から地域へ」が、お年寄りや障害のある人、社会的養護が必要な子どもたちの人権を守り、暮らしの場の選択肢を増やし、あたりまえの暮らしを保障することを最優先に、公的責任のうえで進められているかというと、そうとは言えない実態があります。経済的な理由、介護度や障害の程度、家族の状況など、さまざまな条件のなかで、安全で安心できる暮らしの場が保障されていない人、人権が守られていない状況が、まだまだたくさんあります。
今号では、障害と児童養護の分野から、「暮らしの場」について考えます。大切なのは、入所施設であれ、グループホームであれ、一人暮らしであれ、里親宅であれ、だれもが人権と尊厳が守られる暮らしの場が保障されること、自分が望む暮らしの場を選択できることだと思います。そのために地域や施設がどんな役割を担い、国や行政はどこに責任を負うべきなのか、地域も施設も一緒に考えていけたらいいなと思います。(編集主任)
【ひろばトーク】
オンライン相談支援の現場より 今井 紀明
〜コロナ禍の10代の支援現場からの報告〜
●特集● 施設も地域も、みんなで“暮らしの場”を考えたい
その子がもっとも安心できる暮らしの場の保障を 井上 真純
子どもが未来を向ける養育文化を地域全体で
桑原 教修・桑原 位修
職員となかまとともに、安心できる暮らしの場を 松江佐枝子
選択と経験ができる、あたりまえの暮らしを 赤松 文子
緊急時を支えられる中間的な生活施設は必須 戸島 純子
子ども・支援者双方の人権が保障される社会的養護改革の必要性
堀場 純矢
障害のある人たちの暮らしの場を考える 田村 和宏
●トピックス●
会員・読者のオンライン交流会を開催しました!
総合誌としての『福祉のひろば』の役割
●連載●
WORK WORK──わくワク──
自家焙煎「296COFFEE」 板橋区立小茂根福祉園
ケア労働処遇改善キャンペーン!⑤
福祉現場の実態や専門性を、もっと伝えたい 西村美智子
夕映えのとき〜人生の終え方を支える実践〜
人生の終え方から考える、生きることと死ぬこと 長田 頼治
座ることを考える
座圧センサーで見る座り方の身体への負担 増澤 髙志
JОB&ACTION 全国福祉保育労働組合(21)
労働条件の改善と障害者・家族の権利保障を運動の柱に位置づける
私の履歴書 社会福祉経営全国会議(21) 萩原 政行
障害のあるなかまや家族、職員によりそうことをあきらめない
阿修羅がゆく わたしが好きな釜ヶ崎(41) 水野阿修羅
相談室の窓から 青木 道忠
それぞれの個性や特性が尊重され安心してヘルプが出せる社会に⑤
育つ風景 散歩先が決まるまでの長い道のり 清水 玲子
映画案内 『孤狼の血』 吉村 英夫
現代の貧困を訪ねて 生田 武志
生活保護問題対策全国会議『外国人の生存権保障ガイドブック』(2022)
似らすとれーしょん道場 似顔絵まんがアート
ユーチューバーってなんじゃ? ラッキー植松
ホームレスから日本を見れば ありむら潜
花咲け! 男やもめ 川口モトコ
みんなのポスト/福祉の動き/今月の本棚
●グラビア● 11年のつながりが、次の一歩へ