福祉のひろば 2022年9月号商品コード:hiroba-202209
特集 高齢者のくらしと福祉があぶない!
高齢者への社会保障・社会福祉の削減、攻撃が止まりません。2022年度の年金支給額は0.4%引き下げられ、2年連続の引き下げとなりました。年金支給額は、物価や現役世代の賃金の動きに合わせて毎年増減します。昨年の物価が0.2%減、賃金(18~20年度平均の動向などを反映)が0.4%減であったことが、引き下げの根拠です。
さらに、今年10月1日から、現在医療費の窓口負担が1割の後期高齢者(75歳以上)の一部の負担が、2割に引き上げられようとしています。対象は単身者で年収200万円以上、複数世帯で320万円以上が条件ですが、政令でその範囲を拡大すれば、今後、すべての高齢者の負担が増える可能性は大いにあります。
年金については、2013年から15年にかけて一律2.5%の減額がおこなわれたことに対して、全国で5000人を超える原告が39地裁に提訴し、たたかってきました。しかし、生活保護制度があるので年金削減は生存権違反にはならない、世代間の公平を図るためには不合理とは言えないなどの理由で、現在、神奈川県以外では不当な敗訴判決となり、高裁・最高裁でのたたかいがつづいています。
利用者の約56%が高齢者である生活保護制度の生活扶助費引き下げについても、29の都道府県で裁判が起こされており、6月24日、東京地裁で3例目となる勝訴判決が下されました(今号のトピックスでも紹介しています)。(編集主任)
【ひろばトーク】
東日本大震災から11年 陸前高田学校を終えて 菅野 悦雄 6
●特集● 高齢者のくらしと福祉があぶない!
コロナ禍、物価高騰のなかでの高齢者のくらしの実態
地域のなかで、地域とともに、「自分たちが入りたい施設」を守るために とかみ共生苑
自分たちで地域や社会を良くしていくことをあきらめない 織部 巖
●サブ特集● 第5回「大震災から学ぶ」陸前高田学校(Ⅰ)
震災からの学び、次に活かすために 戸羽 太
津波の怖さと、立ち上がろうとする人間のすばらしさ 菅野祥一郎
陸前高田をつくった人たちの歴史から学ぶ
──過去から現在、未来へ 新沼 岳志
震災・津波と向き合って 安田留美・菅野利尚
ゼロからのまちづくり 復興事業にかけた思い 阿部 勝
●トピックス●
【PHOTO】社会福祉法人さくら福祉会めだか保育園
東京地裁で3例目の原告勝訴判決! 田川 英信
●連載●
WORK WORK──わくワク──
障害のある人たちが作った製品を広げ障害福祉の課題を知ってもらう
きょうされん事務局
ケア労働処遇改善キャンペーン!②
私たちのたたかいでケア労働者の処遇改善を実現する 小林 里美
夕映えのとき~人生の終え方を支える実践~
高齢者の生き様から教えてもらう仕事のよろこびとやりがい 久納 満喜
座ることを考える 少しの工夫でもできる座位の改善 増澤 髙志
JОB&ACTION 全国福祉保育労働組合(18)
“分断を越え、力を合わせて現状を変える”ことこそ労働組合の役割
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私の履歴書 社会福祉経営全国会議(18)
発達保障の旅路をつづけて50年 内田 芳夫
阿修羅がゆく わたしが好きな釜ヶ崎(38) 水野阿修羅
相談室の窓から 青木 道忠
それぞれの個性や特性が尊重され安心してヘルプが出せる社会に②
育つ風景 保育園の昼寝 清水 玲子
映画案内 『空白』 吉村 英夫
現代の貧困を訪ねて
路上死する野宿の人々 生田 武志
似らすとれーしょん道場 似顔絵まんがアート
お疲れさまじゃ! ラッキー植松
ホームレスから日本を見れば ありむら潜
花咲け! 男やもめ 川口モトコ
みんなのポスト/福祉の動き/今月の本棚
●グラビア● 一人ひとりの住み慣れた“都”を大切にしたい