福祉のひろば 2022年4月号商品コード:hiroba-202204
特集 福祉の世界へようこそ!
コロナ禍でむかえる新年度は、今年で三回目となります。この間、学生さんにとっては現場での実習も十分にできず、入職してもイレギュラーな対応や実践がつづき、研修や職員間での交流もままならない状況がつづき、例年以上に不安や悩みを抱えながらがんばっている新人職員さんがたくさんおられると思います。
今号の特集では、四月から福祉現場に入職する四名の学生さんに登場していただきました。みなさん、自身の経験や実習、大学での学びをとおして、福祉のしごとの意義や役割を真剣に考え、やりたいことや目標をもって福祉のしごとを選んでおられました。
福祉のしごとは、人々のいのちと暮らしを守り、人と関わるなかでさまざまなことを学び、自身も大きく成長できる、とても魅力的なしごとです。しかしいっぽうで、社会福祉にかかわる仕事の賃金は全産業平均から月一〇万円も低く、当研究所と福祉保育労が合同でおこなった「コロナ禍で福祉にはたらくひとの声アンケート」でも、「仕事の重要性や社会的責任の割には評価が低いと改めて感じた」人が五七%に達しています。
かんたんに輸入や輸出ができず、AIや機械にとって代わることのできないケアに関わる産業は、今後決してなくなることはなく、かつ産業のなかでも大きな位置を占めることになります。そこで働く労働者がまっとうな賃金を得て、そのお金を日々の衣食住や余暇に使うことが、日本経済をまわす大きな力になるということです。あらたに福祉のしごとに入職される方々にも、低賃金や専門性を発揮できない環境を「自分が福祉の仕事を選んだのだから仕方がない」とあきらめるのではなく、専門性の面でも、職業としての位置づけの面でも、誇りをもって改善を訴えていく、社会を変えていく一員になっていただけたらいいなと思います。
【ひろばトーク】
学童保育は、子どもたちを守る地域の拠点 小堀智恵子
●特集● 福祉の世界へようこそ!
人と関わる楽しさを知って、福祉の仕事に 松浦志留玖
利用者とともに考え、ともに成長する 本木美奈子
利用者の思いを大切にするMSWになりたい 津田ひな子
多様な価値観がゆるされる福祉現場へ 鯉沼 菜々
――あたらしく福祉現場に入職したみなさんへ――
一人ひとりの子どもの育ちを、ともに 草野 彩佳
ここからがスタート! 三浦友莉恵
どんなに障害が重いなかまでも、
願いをもって成長しつづけます 仲 直美
●トピックス●
第26回合宿研究会in愛知 報告
「日本高齢者人権宣言(第二次草案)」の内容と意義
高田清恵・武市和彦
福祉実践と若者──いま、危機のなかにいる若者たち(後編) 山本 耕平
●連載●
WORK WORK──わくワク──
肉まんが売れています! 社会福祉法人みなと福祉会わーくす昭和橋
ミリタンが実現するフランスの福祉
「うまくいっていない」と言える社会にする 安發 明子
かさねあい、はぐくみあう保育実践
子どもと一緒に職員も成長できる保育園をめざして 三上 稀子
夕映えのとき~人生の終え方を支える実践~
苦労を笑い飛ばす愛情深い母に「夕映えのとき」を 光永 了円
JОB&ACTION 全国福祉保育労働組合(13)
国会議員との懇談を力に、配置基準と処遇の改善をめざす
私の履歴書 社会福祉経営全国会議(13)
あきらめず権利としての社会保障の実現へ 佐藤 道子
阿修羅がゆく わたしが好きな釜ヶ崎(33) 水野阿修羅
相談室の窓から
コロナ禍3年目、根本にある問題の解決を 青木 道忠
育つ風景
わかってもらうことで子どものなかに育つもの 清水 玲子
ひととしてあたりまえに生きたい
施設建設委員長として(8) 清田 廣
映画案内 『ノマドランド』 吉村 英夫
現代の貧困を訪ねて 集団就職の時代・ロスジェネの時代 生田 武志
似らすとれーしょん道場 似顔絵まんがアート
超美人は超むずかしいのじゃ! ラッキー植松
ホームレスから日本を見れば ありむら潜
花咲け! 男やもめ 川口モトコ 77
みんなのポスト/福祉の動き/今月の本棚
●グラビア● 75歳以上医療費2倍化はゆるさない!
20万筆を超える署名を力に