福祉のひろば 2021年11月号商品コード:hiroba-202111
特集 コロナパンデミックが浮き彫りにした社会と福祉
--どう変えていくか
八月二八日(土)~二九日(日)にかけて、第二六回社会福祉研究交流集会in京都と、総合社会福祉研究所第三〇回定期総会を開催しました。
今夏開催した第二六回目のテーマは、「コロナパンデミックが浮き彫りにした社会と福祉──どう変えていくか」です。今号の特集は今集会の概要ですが、記念講演、シンポジウム、四つの分科会、入門講座について、集会に参加された大阪福祉事業財団の職員さんがレポートしてくださいました。みなさん、概要とともに、二日間の研究と日々の現場の実態・実践をつなぎあわせ、これから私たちはなにをすべきか、なにができるかを指摘されています。
私たちの社会は、グローバル化やデジタル化のなかで、急速に変化しています。くわえて、前号のデジタル化が福祉に与える影響や、今号トピックスで取り上げるオリンピックの問題からもわかるように、さまざまなものが分野を越えて、国を越えてつながり、大きな影響を与え合っているのがいまの社会です。
分野外のことはわからない、社会福祉以外のことはよくわからないと言っていては、一人ひとりのいのちやくらし、人と人との生身のつながりやそこで生まれるかけがえのないものを大切にしようとしない大きな社会の流れに、一瞬のうちに巻き込まれてしまうと痛感します。
次代を「どうしていくか」を展望するためにも、展望できるようにするためにも、分野を越えて、実践と研究の垣根を越えて、「総合」的に社会福祉・社会保障・社会全体の動きをとらえ、つながり、共同できる、総合社会福祉研究所でありたいと思います。(編集主任)
【ひろばトーク】
オンライン授業──その問題と可能性── 濵畑 芳和
●特集● 第26回社会福祉研究交流集会in京都
コロナパンデミックが浮き彫りにした社会と福祉 ――どう変えていくか
だれのいのちも粗末にしない コロナ禍を生きぬいて 勝原 祐子
――雨宮処凛さんの貧困支援の実践から
〈シンポジウム〉コロナ禍の福祉・暮らし・貧困の実態 石垣登美子
いまこそ、配置基準・処遇改善で福祉の充実を 清水日出美
「ジェンダー」の視点から福祉労働を考え、
その先に見えてきたこと 八木あゆみ
つながり、声をあげることの大切さ 藤原 民人
一人ひとりが安心して暮らせる社会 吉永みゆき
福祉の支援は地域づくりとリスペクト 田中 彰
●トピックス●
2020東京オリンピックの延期開催から考えなければならないこと
市井 吉興
コロナ禍で再認識 配置基準の改善が必要だ! 高倉 弘士
●連載●
WORK WORK──わくワク── アクセスホームさくら
くるみタルト「馬九行久」~みんなうまくいくように~
ミリタンが実現するフランスの福祉
コロナ禍の「連帯」 安發 明子
かさねあい、はぐくみあう保育実践
みんながつながる保育園をめざして 三上 稀子
夕映えのとき~人生の終え方を支える実践~
悲しみに蓋をせず、受け止めることで見えてきたこと 佐藤明日香
JОB&ACTION 全国福祉保育労働組合(8)
社会的養護 いっそうの充実に向けて
私の履歴書 社会福祉経営全国会議(8)
権利としての社会福祉をめざして 正森 克也
阿修羅がゆく わたしが好きな釜ヶ崎(28) 水野阿修羅
相談室の窓から 増え続ける小・中学校の不登校 青木 道忠
育つ風景 一歳児の心の揺れに大人も揺れる 清水 玲子
ひととしてあたりまえに生きたい
施設建設委員長として(3) 清田 廣
映画案内 『家族を想うとき』 吉村 英夫
現代の貧困を訪ねて
コロナ感染とコロナ不況が釜ヶ崎に押し寄せた 生田 武志
似らすとれーしょん道場 似顔絵まんがアート
デフォルメと手抜きは違うのじゃ! ラッキー植松
ホームレスから日本を見れば ありむら潜
花咲け! 男やもめ 川口モトコ
みんなのポスト/福祉の動き/今月の本棚
●グラビア● 京都に息づく福祉にふれて