福祉のひろば2020年3月号商品コード:hiroba-202003
特集 地域福祉の最前線! 民生委員活動で住民をつなぐ
民生委員は、地域の高齢者や障害者、ひとり親世帯などの見守りや、生活上の困りごとの相談に応じる、無報酬のボランティアです。本来、地域福祉の向上に責任をもつべき役所が、その公的責任を後退させていくいっぽう、高齢化や孤立化がすすむなかで、民生委員の役割や求められるものが、どんどん大きくなっています。
座談会に登場いただいた3人の民生委員のみなさんは、地域をつなぎ、子どもからお年寄りまで安心して暮らせる地域を築いていくために、さまざまな活動にとりくまれています。いっぽう、活動の悩みとして、個人情報の保護で活動に必要な情報が受け取れなかったり、住民自身が地域とのつながりを拒否したり自ら断ってしまう人がいることを挙げています。
原さんは、民生委員は推薦制なので、この人に民生委員になってもらいたいという人を説得できるところまで地域自体も成長しなければいけない、と話されています。その地域の民生委員の質や専門性は、その地域の地域福祉のレベルと連動しているということです。
近年、「住みたいまちランキング」や「住みやすいまちランキング」がメディアなどでも注目を集めていますが、上位に選ばれる理由は、都心部へのアクセスや商業施設の開発か、子育て世帯を呼び込む行政主導型の政策などです。住みよいまちを選択するのではなく、いま住んでいるまちを住みやすくするという視点で、主体的に地域にかかわっていくことが大切なのだと思います。
【ひろばトーク】
さまざまな人との出会いのなかで育てられて 遠地 昭典
●特集● 地域福祉の最前線! 民生委員活動で住民をつなぐ
基礎構造改革で変容した民生委員活動 原 吉則
地域をつないでいく役割が大事 池山 久子
地域によって変わる民生委員の活動 谷口 純子
【討論】民生委員が地域を変える(コーディネーター:志藤修史)
●サブ特集● 第24回合宿研究会を開催しました!
なぜ国は今、「全世代型社会保障」を推し進めるのか 石倉 康次
福祉労働者の処遇改善と、人権保障としての社会福祉を守る運動の課題 清水 俊朗
「若者支援」は個人化・責任化に抵抗できるか 岡部 茜
介護保険制度の20年は高齢者福祉に何をもたらしたか 井上ひろみ
社会福祉法人全国組織結成の意義と役割 茨木 範宏
95年勧告に向き合って 浜岡 政好
●トピックス●
第7回釜ヶ崎のまち短期留学 企画中!
社会保障をもうけの対象に?!
──「全世代型社会保障」のねらい 芝田 英昭
「津久井やまゆり園」事件に寄せて
──ノーマライゼーションの視点から 鈴木 勉
●連載●
阿修羅がゆく わたしが好きな釜ヶ崎(8) 水野阿修羅
相談室の窓から
進路選択を自分づくりのよりよい機会に(その2) 青木 道忠
育つ風景
3・11で流された福島県いわきの保育園の再開 清水 玲子
ひととしてあたりまえに生きたい
大阪聴力障害者協会会長として(1) 清田 廣
映画案内 『レ・ミゼラブル』 吉村 英夫
現代の貧困を訪ねて
あいりん総合センター前の路上死 生田 武志
似らすとれーしょん道場 似顔絵まんがアート
メガネは顔の一部です、じゃ! ラッキー植松
ホームレスから日本をみれば ありむら潜
花咲け! 男やもめ 川口モトコ
みんなのポスト/福祉の動き/今月の本棚
●グラビア● 作業所で仕事をがんばりたい!
障がい者とボランティアのための成人式のつどい