福祉のひろば 2020年1月号商品コード:hiroba-202001
特集 地域からみた二〇二〇年
──地域づくりはつながりの積み重ね
いま、日本全国で「子ども食堂」が急速に増えています。二〇一六年には三一六か所だったのが、二〇一九年六月時点では三七〇〇か所と、三年間で一〇倍以上に増えています。近所付き合いがない、地域の人間関係が希薄化していると言われて久しいですが、そうしたなかでこれだけ急速に子ども食堂が広がっていることは、子ども食堂がこれからの「地域」のあり方を考えていくうえで、大きなカギになるということだと思います。
地域の人間関係が希薄になるなかで、自治会や子ども会、PTAなどの活動が困難になっていると言われています。いっぽうで、インターネットやSNSがこれだけ普及していることを見ると、子育て世代の方たちが単純に人とつながること自体を避けているわけではなさそうです。むしろ、遠くに住む友だちやなかまといつでも連絡が取りあえるからこそ、「地域」でつながることの意義が感じにくいのかもしれません。なんでも相談できる気の合う友だちも大切ですが、“いま”子どもに夕食を食べさせるのを手伝ってもらえたり、“今日”会って話ができる「近く」の関係も、かならず必要です。子ども食堂のひろがりは、それを必要としている人たちがたくさんいることをあらわしているのではないでしょうか。
少子高齢化がすすみ、共働き世帯が増えているいまの時代に合った「地域」のあり方があり、それを求めている人はたくさんいるのだと思います。(編集主任)
【ひろばトーク】
障害者と労働 板原 克介
●特集● 地域からみた2020年──地域づくりはつながりの積み重ね
商品の購買活動をつうじてできること 松岡 賢司
あらためて感じる食と居場所づくりの大切さ 梶 真実
あらためて、福祉事業の根幹を問いなおす 山本 政幸
【討論】あたらしい可能性をめざして
●トピックス●
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【鼎談】わたしたち、提訴します! 藤原るか・伊藤みどり・日下部雅喜
雨しか落ちてこない平和な空を子どもたちに 神谷 武宏
“福祉は権利!”今こそみんなで声をあげよう ──10.27愛知県民集会 西田 知也
第24回合宿研究会in京都 開催のご案内
調査からみる社会福祉現場の人材確保の課題 高倉 弘士
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●連載●
阿修羅がゆく わたしが好きな釜ヶ崎(6) 水野阿修羅
相談室の窓から 「合理的配慮」があたりまえになるために 青木 道忠
育つ風景 第二の断乳? 清水 玲子
ひととしてあたりまえに生きたい 大阪ろうあ会館の事業のむずかしさ 清田 廣
映画案内 『男はつらいよ お帰り 寅さん』 吉村 英夫
現代の貧困を訪ねて 生活保護の現物支給案を考える 生田 武志
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ホームレスから日本をみれば ありむら潜
花咲け! 男やもめ 川口モトコ
みんなのポスト/福祉の動き/今月の本棚
●グラビア● 沖縄から、平和の波永遠なれ