福祉のひろば2019年11月号商品コード:hiroba-201911
特集 第25回社会福祉研究交流集会in東京
つなぐ・つながる~現代の貧困に立ち向かう~
世界では、一〇代の若者たちが、平和や人権、環境の問題だけでなく、さまざまな社会問題、生活問題に関心を寄せ、仲間をひろげ、行動している。私はよく講演などで、「主体的能動的な教育」の政策や実態について伝えている。バートランド・ラッセルやウィリアム・ジェームズなどを紹介しながら。これらの問題は、もちろん、福祉現場にも押し寄せている。教育で受動的従属的な国民養成をし、資本や権力の都合のいい労働力確保を進める国家とつねに向き合わざるを得ないからだ。この時代のなかで、自らを律して、この課題に、問題に向き合うことは甘くはない。
さて、今号の特集では、第二五回社会福祉研究交流集会を取り上げている。記念講演の仁藤夢乃さんには、本誌二〇一四年八月号の「ひろばトーク」にも登場いただいているが、より詳細に直接聞ける場となった。日本でも、主体的に能動的に、社会問題・生活問題に向き合っている若者は少なくない。それは、日本にとっての希望である。
一五年間編集主幹の任を担ってきたが、この度、退任させていただけることになった。読者のみなさんから教えていただいたことは、雑誌にも、そして私にとっても宝である。感謝申し上げる。(編集主幹 黒田孝彦)
【ひろばトーク】
「子どもは社会の宝」と言える社会に 石井義久
●特集● 第25回社会福祉研究交流集会in東京
つなぐ・つながる~現代の貧困に立ち向かう~
【PHOTO】写真でみる 第25回研究交流集会
少女たちの目線で、生きる希望やいのちを支える 桑原 一章
【シンポジウム】
寄り添いつながるふれあい相談員~高齢者支援の現場から~ 松田 綾子
子どもの虐待~発見からケアへ~ 川松 亮
地域で生きる障害者 新井たかね
つながり、力を合わせ、すべての人の生きる権利の保障を 上西 克明
福祉労働の専門性と福祉労働者の権利 小園 麻美
福祉市場化と社会福祉法人の役割 田中 昭博
「地域共生社会」と住民自治 中島 素美
障害者が地域で生きるために 野村 伸一
子ども・家族への支援を考える 大塚 翔太
公的責任の後退と自己責任論へ 岩尾 亮太
一人ひとりが学び、考え、真実を見抜く目を 吉永みゆき
参加者の感想
●トピックス●
家族依存からの脱却が急務──障害児者家族の健康実態調査から 塩見 洋介
津久井やまゆり園事件から三年経過して 松尾 悦行
塗りかえられている戦争の記録と記憶 (その1) 塩見 一弥
●連載●
阿修羅がゆく わたしが好きな釜ヶ崎(4) 水野阿修羅
相談室の窓から M子さんの“心のしんどさ”(1) 青木 道忠
育つ風景 トントンの旅が教えてくれたこと 清水 玲子
ひととしてあたりまえに生きたい きびしい大阪ろうあ会館の運営 清田 廣
映画案内 『ゴッホとヘレーネの森 クレラー・ミュラー美術館の至宝』 吉村 英夫
現代の貧困を訪ねて 全国で増えゆく「無縁遺骨」 生田 武志
似らすとれーしょん道場 似顔絵まんがアート 笑顔は大切じゃ~! ラッキー植松
ホームレスから日本をみれば ありむら潜
花咲け! 男やもめ 川口モトコ
みんなのポスト/福祉の動き/今月の本棚
●グラビア● “ほんとうの”住民自治、地域福祉をめざして──東京都港区のとりくみ──