福祉のひろば 2019年10月号商品コード:hiroba-201910
●特集●わたしたちが明日を守り、つくる
若手研究者たちの座談会
今年で、『福祉のひろば』が発刊して四〇周年をむかえます。その記念企画として、特集では若手の社会福祉研究者による座談会を、西日本と東日本の二か所で開催しました。
「研究」と聞くと、理論研究や調査研究をもとにしたとても高尚でとおいものに感じる方も多いのではないでしょうか。しかし、社会福祉「研究」も、目的は社会保障・社会福祉を充実させ、人々の生活をよくすることであり、それは現場実践と切り離せません。いっぽうで、現場の実践にとっても、日々の実践からいっぽ距離をとり、実践をまとめ、みんなで共有し、議論し、次の実践につないでいく「研究」が欠かせません。社会福祉において、実践と研究は切り離せないものであり、相互に影響しあっています。それが、社会福祉分野の魅力であり特徴だと思います。
これからの社会福祉をになう若手の研究者で座談会をしようと企画をたてたとき、鹿児島の社会福祉法人麦の芽福祉会さんから、現場の実践者を「研究者」として送り出したい、とお話をいただきました。また、現場の実践者から研究者になられた方にも参加していただきました。研究と実践が切り離せないことがわかる、『福祉のひろば』らしい座談会になったと思います。
『福祉のひろば』創刊号(一九七九年)には「本誌の目標は、日常のとりくみを、ありのままに総括し、その現実から出発し、みんなの力で、この現実をどう発展させるか、をみんなで学習しあい、励ましあう場とすることです。誰でも自由に発言でき、自由に問題提起のできる“ひろば”です」とあります。
きびしい現実はたくさんありますが、きびしいからこそ、みんなで共有し、学習しあい、現実を発展させる方向を一緒に考えていくことが欠かせないし、それが福祉実践のはげみにもなるのではないでしょうか。(編集主任)
【ひろばトーク】
福祉労働運動と研究所への思い 今井 修
●特集Ⅰ● わたしたちが明日を守り、つくる
【座談会】若手 社会福祉研究者による座談会──西日本編──
人権とはなにか、尊厳とはなにか、いまあるものを問いなおす
桜井啓太/岡部茜/伊牟田靖宜
●PHOTO● それぞれの夏!
こばと会 3園の年長児クラス合同キャンプ!
ひびき福祉会 リーブキャンパスひびきのキャンプ
大阪福祉事業財団 城東老人ホームの夏祭り
●特集Ⅱ● わたしたちが明日を守り、つくる
【座談会】若手 社会福祉研究者による座談会──東日本編──
研究と実践の両輪で社会のあり方を問いなおす
午頭潤子/保田真希/中野航綺
●トピックスⅡ●
いちばん若い原爆被爆者の証言と、平和への願い 塩見一弥
全職員の基本給の積み上げこそが必要
2019年度会員のつどい
木の香り漂うステキな空間が誕生しました
●連載●
阿修羅がゆく
わたしが好きな釜ヶ崎(3) 水野阿修羅
相談室の窓から
子どものころから見守ってきたK子さんとS男さん(2) 青木 道忠
育つ風景 ごめんねって言って 清水 玲子
ひととしてあたりまえに生きたい
ろうあ者のためのセンターが動きはじめる 清田 廣
映画案内
『焼肉ドラゴン』 吉村 英夫
現代の貧困を訪ねて
原発事故被災者の貧困──動物と震災 生田 武志
似らすとれーしょん道場 似顔絵まんがアート
お子さまはお子さまらしく! その2 ラッキー植松
ホームレスから日本をみれば ありむら潜
花咲け! 男やもめ 川口モトコ
みんなのポスト/福祉の動き/今月の本棚
●グラビア● だから社会福祉はおもしろい!
──私の社会福祉研究──