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　 銭湯を『福祉のひろば』にとりあげたのは、銭湯という場が地域生活のなかにあって、生活のひとつの場面としての銭湯から生活問題を考えてみたいと、銭湯文化サポーター's代表のラッキー植松さんに連載執筆を依頼したのがきっかけです。
三年くらい連載して、一冊の本として出版をしてはどうかとも。
銭湯文化については、連載の第一回目にラッキーさん自身が書かれています。
この連載を通して、銭湯が過去のことではなく、現在の地域生活や福祉を考える上で、重要な位置と役割が発揮されていることも学べます。

　さて、ラッキーさんからは、途中で書くことがなくなってきたとの悲鳴も出されましたが、そのたびに、事務所の近くの新世界のジャンジャン横　丁付近で串カツを肴に一杯で、発想をおたがいに拡げてここまでつないできました。とうとう根が尽きて、「なにわ銭湯見聞録」の連載は終わりました。

この連載の最中に、「銭湯からみえる、ひと、まち、くらし」 と題したセミナーを、ラッキーさんと濱岡政好佛教大学名誉教授の対談と、銭湯を経営されている方々の参加をいただいて、福祉のひろば主催で開催しました。
銭湯を知らない世代が拡がっているなかで、ラッキーさんは一〇一〇軒(セントウの洒落)の銭湯巡りを目標に掲げておられ、三六五日のうち、三百日は銭湯に通っていると話します。(この講演の動画はYouTubeで見られます)

　出版にあたって、イラストはカラーにしました。また、ラッキーさんの「この道三〇年」という節目ともあわせ、めでたく出版することになりました。関係者のみなさまに、感謝申し上げます。

月刊誌『福祉のひろば』編集主幹　黒田孝彦