五感で感じ、学び、つなげる――社会福祉現場ではたらく7人がであったハンセン病問題商品コード:hansen-201508
2014年10月6日(月)〜7日(日)にかけ、「ハンセン病療養所スタディツアー」(以下、スタディツアー)を開催し、障害者分野ではたらく職員七人とともに、岡山県長島にある国立ハンセン病療養所邑久光明園、長島愛生園を訪問しました。二日目には、療養所を退所し、社会復帰された方々にお話をうかがいました。このブックレットは、七人の参加者がスタディツアーを通して考えたこと、学んだこと、伝えたいこと、そして、スタディツアーのなかで出会った方たちのお話をまとめたものです。
ハンセン病回復者の方々の高齢化がすすみ、療養所入所者の数も少なくなっていくなか、「ハンセン病」という言葉も聞いたことのない若い世代が、どんどんと増えています。今回のスタディツアーも、「ハンセン病」という言葉を知ることからはじまりました。
参加者は、自分が生まれ、生活してきた日本で、隔離され、名前を変え、差別され、家族と縁を切って生きざるをえない人たちがいることに衝撃を受け、それが国のまちがった政策によるものであったことに怒りを覚えました。そして、そのハンセン病問題は決して過去の話ではなく、いまなお苦しみ続けている方がたくさんおられると同時に、高齢者問題、障害者問題、子どもの問題、さまざまな社会問題につながるものであることを知りました。
7人の参加者が学び、感じ、考えたことを、本書をとおして一緒に追体験をしながら、ハンセン病問題について考えていただければと思います。また、人権学習のテキストとして、ご活用いただければうれしいです。 総合社会福祉研究所 申 佳弥
◆ もくじ◆
私たちがつたえる――スタディツアーに参加して
ハンセン病問題の歴史と課題――永岡正己さん(日本福祉大学社会福祉学部教授)
参加者体験記――ハンセン病に出会った二日間
ハンセン病の歴史、ソーシャルワーカーの仕事の根幹を忘れずに
――坂手悦子さん(ハンセン病国立療養所邑久光明園医療ソーシャルワーカー)
ここがふるさとですよ。情けないけどね。
――ハンセン病国立療養所長島愛生園入所者 山田さん(仮名)のおはなし
元入所者の方の経験・人生・思いを聞く