■ 社会福祉・社会保障の 発展へむけて
真田先生が亡くなられて7年がたち、先生の理論的営みが停止し、今日では社会福祉士国家試験問題に登場するなど、ひとつの古典的な性格をもつようになってきています。
しかし、真田理論の骨格である社会問題、社会運動、政策主体の三つの主要モメントを基軸に据える「三元構造論」、政策による対象を「対象化された対象」と構成する論理、「福祉労働」を政策と対象の媒介として考えるなどの基本概念は、社会福祉の市場化が進み社会福祉とは何かが改めて問われる今日においても、基本と
されるべき有効なものであると考えております。
真田先生の著作集発刊によって、真田先生の研究過程や成果が次世代へ引き継がれ、社会福祉及び社会保障発展の一助として活用していただけるよう、願っております。
(総合社会福祉研究所 理事長 石倉康次) |
■ 真田是(さなだなおし)氏 略歴
1928年12月2日 静岡県伊東市に生まれる
1954年3月 東京大学卒業(文学部社会学科)
以後、以下の大学等で教員等を歴任。
大阪府立社会事業短期大学
愛知県立女子大学
立命館大学
立命館副総長
立命館大学副学長
総合社会福祉研究所理事長
日本福祉大学
山口県立大学大学院
2005年9月28日 京都市福王子の自宅にて逝去(享年76歳) |