正義よ、私たちの風となれ
月刊「福祉のひろば」
2026年9月号
最新号
福祉のひろば2026年9月号
特集
"地域で暮らしつづけることを支えるⅠ
~司法・福祉の現場から~
2025年6月1日、懲役刑(労務作業の義務あり)および禁固刑(労務作業の義務なし)を廃止して一本化し、「拘禁刑」を創設する刑法等の一部を改正する法律が施行されました。
刑務作業を義務として一律に課すのではなく、受刑者の更生や社会復帰に必要な作業や指導を、受刑者の事情をふまえて柔軟におこなうことを目的とした改正です。
改正の背景には、長期的には刑事事件の検挙人数は減少傾向にあるいっぽう、再犯率は約50%と高止まりしており、刑務所や少年院などの矯正施設を出所したあとの「再犯防止」が大きな課題になっていることがあります。
再犯防止のためには、矯正施設での処遇と出所後の支援の連携が不可欠であり、今回の改正も、司法と福祉の連携の流れのなかで実施されたものです。
福祉の現場においても、警察で保護していると連絡があったり、犯罪に巻き込まれてしまったり、あるいは加害者になってしまうことは、生きづらさや生活困難を抱える高齢者、障害のある人、
そして子どもたちの暮らしを支えることを仕事とする福祉の世界では、けっしてめずらしいことではありません。
そうした生きづらさを軽減するためにさまざまな制度を活用したり、あるいはあたらしい制度・施策をつくったり、まわりの環境を整えることで、その人がその人らしく、
地域のなかで暮らしつづけられることを支えるのが福祉の仕事です。
犯罪や非行の背景にも、多くの場合、そこに至る生きづらさや生活環境があります。
そこをサポートし、生活基盤をととのえていくことで、犯罪をしなくても生きていけるという選択ができるのだと思います。
人に大切にされ、尊重され、困りごとを一緒に解決しようとしてくれる人がいることが、自分は生きていてもいいという自己肯定感や、ここで生きていきたいと思える力につながり、
自分らしく生きる権利を保障することにつながるのだと思います。
司法の目的は「再犯防止」であり、福祉の目的は「すべての人の人権を保障すること」ですが、そのために必要なことは共通しているように思います。
今号では、地域で暮らし続けることを支える実践を、司法と福祉から考えたいと思います。
(編集主任)
(編集主任)
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