福祉のひろば 2019年3月号商品コード:hiroba-201903
第23回合宿研究会 社会福祉労働者 養成と確保
今号の特集、一月初旬に行われた総合社会福祉研究所「合宿研究会」の様子を浜岡政好副理事長の閉会にあたってのあいさつ概要から紹介します。
浜岡政好(総合社会福祉研究所副理事長)
「社会福祉労働者の養成と確保」という今回のテーマには、「社会福祉労働者」と「養成」と「確保」という3つのキーワードがあったと思います。
“介護サービス人材”や“介護労働力”などの言い方がされますが、それと「社会福祉労働者」とのつながり方とギャップを考えると、国はずっと介護サービス分野の労働力政策をどうするか、人材をどう調達するかという進め方であることが分かります。我々の側からは社会福祉労働者の養成や確保にどう取り組むかということになると思います。
その場合の「養成」というキーワードは、ある種の型、必要なサービス労働の型にはめ込んで使えるものとして育成していくわけですから、社会福祉労働者育てたり、支援していくかという視点には単純には結びつかない。どうやって切り替えて人権保障の担い手としての社会福祉労働者を育てていくかを考えさせられるわけです。
もう一つは「確保」についてです。安倍首相は高齢と少子社会にどう対応するかということで、介護労働力不足を「国難」として見ているわけです。まるで第二次大戦中、高度国防国家の労働力調達政策などというものを彷彿とさせる使い方をされている。我々の側から確保とは何か、どう取り組んでいく必要があるのかを色々と考えさせられました。
「社会福祉労働者の養成と確保」の主語は誰か。国家がこのキーワードを振り回しているのか、事業者が迫られて養成と確保を考えていくのか、それとも国民が、地域住民や市民が。自分たちの社会や生活の未来を考えたときに、国民サイドから「社会福祉労働者の養成と確保」がもう一度問い直されないと、ほんとうの意味で状況を変えることにつながらないんじゃないかと思いました。
【ひろばトーク】
生活困窮者自立支援相談窓口から考えるひきこもり問題 藤原 望
●特集● 第23回合宿研究会 社会福祉労働者 養成と確保
福祉労働者の養成と確保問題を探る
第23回 合宿研究会のねらい 新井康友
保育士養成校における保育士養成の現状と課題 西垣美穂子
社会福祉人材確保と社会福祉労働者養成のはざま 鴻上圭太
社会福祉施設で体験的な学習を積み重ねる教育プログラム
──福祉の担い手づくりを目指した「実学臨床教育」 阿部利江
中国における民間福祉サービスの展開 郭 芳
日本が諸外国からいかに介護労働人材を確保しているか 新井康友
権利・人権としての社会福祉と社会福祉労働者とは何かを考えて
──第23回合宿研究会に参加して 義基祐正
●トピックス●
第31回社会科学・社会福祉基礎講座が修了しました
第6回釜ヶ崎のまち短期留学開催のお知らせ
阪神淡路大震災から24年 なにを語り継ぐか 黒田孝彦
障害を持つ人たちが安心して暮らせる社会は
誰にとっても住みやすい 池山美代子
時代の病は弱者に現れる (横湯園子さん講演)
営利企業による社会福祉事業の実態と問題(その2) 黒田孝彦
刑務所に介護専門スタッフを配置する背景を考える 林 宏二
師と仰ぐ早川一光さんからの学び(Ⅱ) 編集主幹
●連載●
社会福祉研究に人生あり!
3.11と拙著『日本社会政策学の形成と展開』 相澤與一
相談室の窓から
ひとりで悩まないで(その2) 青木道忠
育つ風景 自分で! 清水玲子
「助けて!」って言ってもええねんで!
いろんなひととあえる、みんながおうえんしてくれる! 徳丸ゆき子
ひととしてあたりまえに生きたい
社会と、行政とたたかう思いを確固たるものに 清田 廣
映画案内 ドリーム 吉村英夫
現代の貧困を訪ねて
建設が反対される救護施設とはどういうところか 生田武志
似らすとれーしょん道場 似顔絵まんがアート
ノーベル賞を描くのじゃー! ラッキー植松
ホームレスから日本をみれば ありむら潜
花咲け! 男やもめ 川口モトコ
みんなのポスト/福祉の動き/今月の本棚/
●グラビア● 米国ニューヨークを垣間見て!